夜翔異聞
 

     
the Dream to Corrode


〜story〜

 21世紀を迎えてはや数年……

 世紀が一つ進んでも、人類の生活には大して変化は見られないようだった。
 幾つかの大きな事件が起き、相変わらず紛争が起こり、技術が少しだけ進んで、世界は新たな局面を迎えたりはしたけれど、これまで続いてきた人類の歴史から見れば、どれも大した変化ではない。
 多くの人々はこれまで通り生活し、これまで通り競争し、これまで通り楽しんで、これまで通り死んで行く…

 そんな変わらない世界の、変わらない日本の、特に変哲も無い地方都市・夜舞(よるまい)市。夢群(ゆめむら)学院大学を中心とした、古い歴史がある事と遺跡が多い事を除いてはこれと言って特徴も無い学園都市である。
 この街は現在、若干今までとは大きく変わる出来事を経験していた。

 『ゆめの侵蝕』―――

 世界における『夢』と『現実』の境界が曖昧になり、人々の空想や思念の産物である『ゆめ』が、この世界に現出し始めているのである。ひとたび『侵蝕』が起きれば、我々の生きる『現実』に『ゆめ』の産物が溢れ出し、現実ではありえない『ゆめの法則』が世界を支配する。若しくは、我々の生きる『現実』の一部だけが切り取られ、『ゆめ』の世界に閉じ込められてしまう事も有りうるだろう。

  ――と言っても、この『侵蝕』は、多くの人にとっては実感があるものではない。殆どの市民は、自分たちの街に何かしらの変化が起こっているのも気付かずに、普段通りの生活を送っている事だろう。
 何故ならば、現出した『ゆめ』の記憶を持ち続ける事は、通常の人間には不可能だからだ。目覚めると夢の内容を忘れてしまうように、普通の人間は侵蝕が終わり、現実が姿を取り戻すと、『ゆめ』の出来事を全て忘れてしまう。

 ……ごく一部の人間を除いては。

 現出する『ゆめ』を認知し、『ゆめ』の力を扱う事の出来る者たち――それが、『異能者』と呼ばれる者たちである。彼らは時に、魔術師や退魔師、超能力者などと呼ばれ、その力を持って現出した『ゆめ』を鎮め、『夢』と『現実』の狭間を守る戦いを続けてきた。

 かつてこの日本でいくつかの『ゆめ』を巡る大きな戦いがあった。1988年に富士山麓で終結を見た『死女王』事件、「輪を閉じたループする世界の夢」の結末として1999年にM県にある七塚町での事件で起きた『ムスカ萩崩壊事件』、2004年にA県にある夜舞市で起きた『夢想樹消失事件』である。後者は世界に大きな影響を与えつつも、不完全な結末に終わり、世界は不安定なまま現在も終わることなく続いている。
 それは停滞と言えるのかもしれない。だが、その停滞した世界で、ほんの僅かな間でも人々は精一杯日々を過ごしていこうとしていた…。


〜world

 「夢想幻蝕」は、21世紀初頭の日本・A県にある夜舞市を主な舞台として展開していく物語です。プレイヤーはこの夜舞市に住んでいる学生や、危機を知って集まってきた夢幻会のメンバーとなって、この地域を舞台に『ゆめ』の関わる事件に巻き込まれたり、時には自発的に解決するために立ち向かったりしていくことになります。
 


 以下に、このゲームの雰囲気を掴む為に幾つかのキーワードを中心に世界観を紹介していきます。


>>ゆめの力 >>ゆめの浸蝕 >>異世界 >>異能者 >>あしきゆめ >>ゆめの住人 >>ゆめのカケラ

>>異能者のネットワ−ク



☆『ゆめ』の力

 古来より、人々は夢と言うものに特別な意味を乗せ、その表すところを読み解こうとしてきました。夢に関する解釈は、人によって千差万別です。 自分を映す鏡であったり、心に隠された想いが現れる世界であったり、はたまた神や深遠なる存在からのメッセージであったり……
 しかし、それら一般的な『夢』の解釈とは別に、一般的には知られていない“事実”があります。
 それが、『ゆめ』の力です――

 『ゆめ』とは、人々の空想や様々な想い――愛情、憎しみ、喜び、悲しみ、妬み、懐古など――が、ふとした弾みで“力”を持ってしまったものを指します。この“力”が具体的に何なのかは、今に至るまで分かっていません。しかし、力を持った『ゆめ』は、単なる精神世界の幻想ではなく、現実にまで影響を及ぼすようなものになります。これらの『ゆめの存在』は、一般的に元になった想いや幻想に大きく影響されます。それが明るいものであれば良いものに、悪夢であれば人に害を及ぼすものになりやすいのです。特に強い悪夢の影響を受けて、現実世界に悪影響を及ぼす存在を『あしきゆめ』と呼称する事も有ります。


☆『ゆめの侵蝕』

 力を持った『ゆめ』は、時に現実に対しても影響を及ぼします。通常、こう言った影響は極めて小さな個人レベルのものが殆どです。如何に“力”を持った『ゆめ』とは言え、現実にありえない事を起こすのにはかなりのエネルギーを必要とするからです。
 しかし稀に、ある範囲の世界に対し『ゆめ』の影響が及ぶ事があります。これが『ゆめの侵蝕』です。
 『侵蝕』が起こると、その範囲の世界は『現実』の法則とは異なる法則に支配されます。その範囲から抜け出せなくなったり、何度も同じ出来事が繰り返されたり――こう言った現象は、『侵蝕』の“原因”となるものを排除するまで続きます。この『浸蝕』された世界の中では『ゆめ』の存在が比較的簡単に力を発揮することが出来ます。

 侵蝕の原因は様々です。大抵の場合は、個人レベルでの『ゆめ』の力の影響が原因となるようです。他にも、何らかの原因で封じられていたり、彷徨っていた『ゆめ』の力が、ふとしたきっかけで溢れだす、と言うこともあります。また、大勢の人に実しやかに語られる話…いわゆる昔話、伝承や都市伝説…が、ゆっくりと力を持って、いつの間にか都市や国レベルの大きさの『ゆめの浸食』として現れたという例も幾らか見られます。過去の世界ではこのような大規模な『ゆめの浸食』が起こりえましたが、現在のように安定した世界ではそこまでの規模の浸食はまず起こらなくなっています。

 原因が排除されれば侵蝕は終わり、世界は現実に戻ります。そして、『ゆめ』の力を持ったもの以外は、まるでその間の出来事が夢であったかのように、『ゆめ』に関する一切の記憶を忘れ去ってしまうのです。起こったことが完全に“無かった事”になる訳ではありません。『現実』が侵蝕中の出来事でどれだけの被害を受けるかは、個々の『ゆめ』の内容にも拠りますが、最悪の場合は侵蝕中に『ゆめ』に殺された者は、例え『ゆめ』が終わっても死んだままである場合もあります(逆に、何事も無かったように生きている事もありますが)。しかしその場合でも、『ゆめ』の内容を覚えていられない人は、その人が何故死んだのかは分からないのです(『ゆめ』に関わる“想い”が強ければ、断片的な記憶が残ることはあります)。このお陰で、大規模な侵蝕が起こっても、未だに世間で『ゆめ』の存在が騒がれる事は無いのです。
 しかし、もしも浸食を消す事が出来なかった場合、あまりに異質な法則に支配されてしまったその空間は現世界に存在しつづける事が出来なくなります。その結果『ゆめの浸食』に侵された空間そのものが現世界から切り離され『異世界』が生まれる事があります。

※この『侵蝕』自体は、実のところ夜舞市以外の場所でも、遥か昔から幾度も起こってきた出来事です。しかし、夜舞市が置かれている状況が違うのは、その頻度が異常だと言うことです。通常、こう言った『侵蝕』が起こることは滅多になく、世界中でも1年に1回でも起これば珍しい方なのです。
 現在、夜舞市では月1回近くのペースでこう言った侵蝕が起こっています。また、それに伴って『ゆめ』の力に目覚めるものや、『ゆめ』の影響を受ける物の数も大幅に増加しています。今の所、原因は一切不明です。

☆『異世界』
 読んで字のごとく我々の住む世界(便宜上、以後は現世界と表記します)とは異なる世界のことですが、これは何もSF的な異次元の世界の事ではなく、古くは桃源郷や妖精郷など妖怪の隠里のように規模こそ違え全ては現世界から生まれて分かたれていった『ゆめ』の世界の事です。これらの『異世界』が現世界に重なる事によりさらなる『ゆめの浸食』が起きる事もありえます。 ただし生まれたばかりの『異世界』は現世界と比べて世界を隔てる壁が薄く、他の『異世界』や現世界との接触により容易く消えてしまう事もあります。
 そして、この『異世界』でもっとも規模の小さなものが人々の持つ夢の世界です。これらは普通、まさに飛沫の如く生まれては消える儚いものですが、稀に固定されるほど強固な夢の『異世界』を持つ事が出来る存在が出ます。その多くは感受性の強い10代の子供達で、彼らは『異能者』と呼ばれます。


☆『異能者』
 『異能者』とは、『ゆめ』の力を操ることが出来る者たちです。古くは、魔を払う除霊師や退魔師、宗教指導者たちなどが、この『異能者』であったと言われます。
 『ゆめ』の力を認識するには夢を固定化できるという素質が必要ですが、この素質は基本的には遺伝に拠りません。なので、何の変哲もない一般人が突然力に目覚める事があるのです。夢想のPC達もそのようにして目覚めます。
  しかし一方で何らかの「血」を受け継いでいたり、家に伝わる秘宝などがきっかけになって『ゆめ』の力の覚醒を促す事もあると言われています。
 共通するのは、自己の夢を元にした異能の力を持つ事と、『ゆめの侵蝕』を知覚できると言う事です。また、『ゆめ』の力を持つものは『特異点』となることも挙げられます。『あしきゆめ』と呼ばれる歪んだ力と目的を持った『ゆめ』の存在が起こす不思議な、もしくは奇妙な事件に巻き込まれやすいのです。


☆『あしきゆめ』

 『あしきゆめ』と言う呼称は、主に強い想いの影響で暴走してしまった『ゆめ』の存在に対して用います。多くの場合、恨みや悪夢などの「悪い」想いが蓄積され、想いの対象に対して害を及ぼす為こう呼ばれます。
 それだけではなく、『異能者』も暴走して『あしきゆめ』となることがあります。『あしきゆめ』となった『ゆめ』の存在は、多くの場合強力な力を持ちます。そしてその力を「想い」を満たす事にのみ向けていきます。人間や動物、器物などから『あしきゆめ』となった場合、その侵食が進むと変形するなど肉体の変貌を起こします。暴走した「想い」が存在の限界を超えてしまうのです。
 暴走してしまった者を元に戻せるかは、個々の『ゆめ』の存在の力次第です。力尽くで『ゆめ』の力を追い払えば元に戻る場合もあります。また、原因となる「想い」を果たさなければどうにもならない事もあるでしょう。
 暴走した『ゆめ』の存在を『あしきゆめ』と呼ぶことに抵抗を覚える者たちも居ます。そう言った者たちは、単に『暴走したゆめ』と呼んだりしているようです。また、『ゆめ』の存在の中にはより強力な『ゆめの住人』と呼ばれるものもあります。


☆『ゆめの住人』

 『夢想幻蝕』の世界には、『異世界』の存在…河童や妖精などの既に人々に広く認識された空想の生き物(妖怪)…が登場することがごくまれにあります。それらは通常の現れてそのまま消えてしまう『ゆめ』の存在と区別するために、『ゆめの住人』と呼ばれています。基本的に彼ら『ゆめの住人』は、『ゆめの侵食』によって重なった『異世界』の外で…つまり現世界に現れて影響を及ぼすことはまずありません。前述の通り、いかに強大な力を持った『ゆめ』であっても、現実の世界の法則の中で“ありえないこと”を引き起こすのには莫大なエネルギーが必要となるからです。
 しかし稀に、『ゆめのカケラ』と呼ばれる異世界の力、概念を込めた強力なアイテムを携える事によって『ゆめの住人』がこの世界に出現することはあります。ただしこれはあくまで設定上のものであり、過去にそういう事例があったというシナリオフックとしてのみ使用可能で、普通にセッションに出すのは禁止です。また、現世界にもそう言った『ゆめの住人』のような力を宿した樹なども僅かながら存在しています。(夢群神社の神木もその一つです)

☆『ゆめのカケラ』
 覚醒した異能者なら誰でも絶対に持つものです。極めて個人的で小さな『異世界』である持ち主の夢との門を瞬間的に開きます。夢と『現世界』を結んで異能を発揮する事を可能とする能力を持つ重要な品物です。
  その多くはアクセサリーなど実用価値の低いごく個人的な小物ですが、メガネなどある程度実用的なものでも構いません。これらの品物は貴方と深く結びついたアイテムで、失われたり壊れたりしてもいつの間にか元に戻ります。常に所持していなくても異能は発揮できますが、強力な異能ほどカケラの所持が必須だったりする事もあります。
 カケラはあくまで個人的なもので、それを他の異能者が持ったからといって力を発揮することは出来ません。持ち主にとって重要な意味があるものだからこそ『ゆめのカケラ』足りうるのです。そのため通常『ゆめのカケラ』の委譲や継承はありえませんが、受け取る側にとっても同じように重要な意味を持つ品物の場合、新たにそれが新しい持ち主の『ゆめのカケラ』になることはありえます。これは正しくは継承とは言えないかもしれませんが、新しい持ち主が『ゆめのカケラ』の古い能力(代表的な妖力や妖術)を知っている場合、新しい能力もそれと等しいか順ずるものになる事がありえます。これは新しい持ち主がそう認識しているからであり、自分の持つゆめとして同じ力を選んだという事になります。

 またこれはPCにはあまり関係ありませんが、『ゆめの住人』が持つより強力なカケラには個人的な門を維持することにより異世界の力を消費することによって現世界でのエネルギー補給の必要なしに行動を可能とすることが出来るものもあります。



☆『異能者』とネットワーク

 『ゆめ』の力に目覚め、それを自在に制御出来る『異能者』の中には、その力で暴走した『あしきゆめ』を止めようと考えるものもいます。こう言った存在は、『よきゆめ』と呼ばれることがあります。『よきゆめ』は、『あしきゆめ』と対比して使われるようになった呼称です。いわゆる退魔師などのような存在で、『あしきゆめ』の発生をいち早く感知し、人知れず処理する者たちを指します。ただし、この呼称はあまり自ら名乗られることはありません(自分の事を『善』だと自称しているようなものです)。自らを『よきゆめ』と呼称するのを好まない人たちは、自分のことを『使い手』や『異能者』などと呼んでいます。
 彼らは非常に古い時代から存在しています。所によって呼ばれ方は変わりますが、共通するのは異能の力…『ゆめ』の力…を用いて『ゆめ』の引き起こす事件を解決する、と言う点です。
 こう言った活動をするほどの『ゆめ』の力を持った人間はあまり多くありません。人口比にして、数百万人に1人程度だと言われています。国内ではPCを除き100人程度の『異能者』が活動しています。
 世界には、幾つもの『異能者』たちの組織があります。これらは通称「ネットワーク」と呼ばれます。ネットワークが行うのは、主に『ゆめ』による事件の調査、及び事件の事後処理、そして『ゆめ』の力に目覚めたものの管理などです。こう言ったネットワークが、何らかの権力と結びついている事もあります。
 有名なネットワークとしては、カトリック教会の結び付きを背景として世界中にコネクションを持つ『ヴァチカン』ネットワークや、中世ヨーロッパから脈々と続く魔術師系の知識をベースとした『欧州魔術師協会』などがあります。
 このようなネットワークはおおよそ1つの地域ごとにひとつくらいずつ存在していますが、それぞれ独自の理想と理念を掲げていて世界的なネットワークとして機能するまでは至っていません。日本には『夢幻会』の他に、神社系のネットワーク『護国会』があります。
 『異能者』にも、その力を自分のために利用しようと考えるものは少なくありません。大抵の場合、そう言った者は最終的に『ゆめ』に飲まれて暴走し、『あしきゆめ』となりますが、中には完全に力を制御したまま私欲に走る者もいます。そういった者同士が集まってネットワークを作ることもあります。こう言ったいわゆる「悪のネットワーク」は、しばしば他の『異能者』たちのネットワークと対立し、事件を起こしています。
 

 

☆夢群の『異能者』たち
 夜舞市に起きている『侵蝕』の影響なのか、現在、夜舞市では、『ゆめ』の力に目覚める者が増えていて、特に感受性の強い10代の若者の覚醒が目立ちます。その為、夜舞の夢幻会のリーダーである宵町祐史と、その朋友である市内最大の学園地区『夢群学院』理事長の北里清志郎は協力体制をとり、覚醒した『異能者』を集めて連絡網を作っています。ただし、発見された学生『異能者』の全員が夢幻会に入れられるという事はありません。なぜならば理事長の、学生たちにはあくまで学生の本分を忘れて欲しくないという意向があるからです。経験の浅い夢群学生の『異能者』をサポートする形で『夢幻会』が協力するという体制になっています。
 そのため学生『異能者』達の行動範囲は彼らの居住区域である夜舞周辺と、特に学園地区周辺になっていますが、逆に人数の少ない夢幻会をサポートするために有志の協力者が遠出をすることも珍しくはありません。



☆『夢幻会』

 日本の『異能者』を統括するネットワークのひとつです。日本には元々、国家権力と結び付いた『護国会』と言うネットワークが存在していましたが、宗教や政治と結びついたその形態ゆえに閉鎖的で、新たに生まれた『異能者』達を受け入れることが出来ず、また普通の一般人から目覚めた『異能者』達もなじめなかったため、近年に入り国内の新しい『異能者』が集まって民間の組織を作る動きが起こりました。こうして出来たのが『夢幻会』です。
 夢幻会は緩やかなネットワークを持ち、全国に北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国九州の7つの地方支部で運営されており、その規模はちょうどマイナーな新興宗教くらいのレベルで決して大きな団体ではありません。その中で夜舞市は中部支部のブロックに所属します。

 

☆『護国会』
 日本の裏世界を統べてきた古いネットワークです。密教や陰陽道といった日本古来の呪術を扱う異能者の集団ですが、実際の異能者の数は少なく、国家権力と結びついた秘密結社的な性格の強い組織です。
 護国会六宗家のうちの一家を継いだ新宗主の暴走があり、その結果おきた『夢想樹消失事件』の責任を取らされる形で権力とのパイプの大半が切られ、それ以外でも事件の後始末で当主や属していた異能者の半数が死亡したり能力を失ったため、現在の護国会はかなり弱体化しています。

 

☆『護国会武闘派残党』
 現在は「悪のネットワーク」の一つ。元々は暴走した護国会六宗家の一、取り潰された大濠家の残党です。勢力は小さいものの生き残った護国会異能者のかなりの数が含まれており、現在は各地へ散って力を蓄えているようです。
 異能者としての力を悪用したりヤクザなどの組織に提供する形で動いているため、シナリオに関係するのは人間(異能者を含む)を敵とする事件がメインになるでしょう。ショートキャンペーンで独自の組織を出したい場合もこの『護国会残党』の一部とするのがいいでしょう。

 

☆『竜頭』
 いわゆる「悪のネットワーク」の一つです。大陸系の組織で、構成員の大半が中国系です。『護国会』が目を光らせていた時期はほとんど表立って活動をしていませんでしたが、最近になって再びその構成員が動き出していると言う情報もあります。実際に動いている異能者の数は少なく、その殆どはマフィア崩れなどの一般人(?)です。
 本拠と呼べるものはなく、北浜埠頭の倉庫街などに一時的な拠点を築くことが多いようです。シナリオに関係するのは主に『呪われた品物』の密輸や強奪関係になるでしょう。


top