眩しい朝日が、駅に入って来たばかりの列車を照らしている。

 無人の構内に一陣の風が吹き抜ける。不意に列車のドアが開い

一人の少女が顔を出すと、つり目がちの大きな瞳を眩しそうに瞬

せつつ降り立った。車内から呼ばれでもしたのか、少女は振り向

て一言二言何かを呟く。狭い構内を再び風が吹き抜けて、おかっ

ぱにした少女の髪を弄るようにしていく。

 続いて出てきたのは姉だろうか。先の少女とは対照的にたれ目が

ちで、やや長めのセミロングにした黒髪が朝日を受けて美しく輝い

ている。だが、二人ともその表情はどこか曇りがちだった。

 その女性はそれほど大きくない荷物を少女に手渡すと、再び車内

へと消える。おそらくまだ荷物があるのだろう。少女は受け取った

荷物をおろすと、ふと誰かに呼ばれでもしたかのように振り向き、

彼方をを見つめると呟いた。

耕一さん…

 少女の呟きは風に掻き消され、誰の耳にも届かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

るるる〜、背景がまだ無いの…。