朝方、割とよく来るNancyboushが入ってきた。この辺りでいい噂は聞かない・・・。差し出した一杯の水を飲み干すとくたびれた声で一つの話をした。

Nancyboushの話を聞いていると私まで憂鬱になる。

朝方、見馴れない一人のジェントルマンが店に入ってきた。食えない・・・その手の人間だ。RobertWahは最近の女郎がいかに腹立つかを力説しはじめた。

もう少しかいつまんで話してもらいたいものだ。

朝方、割とよく来るNancyboushが入ってきた。Nancyboushは数人の愛人をはべらせ上機嫌そうにだ。Nancyboushは彼女から聞いたという話をしだした。

何度も何度も同じ言葉を繰り返した。

朝方、割とよく来るNancyboushが入ってきた。Nancyboushというふざけた名前の男だ。額、首筋、わきの下を一通りハンカチで拭くと、唾を飛ばしながらこう言った。

私はその時Nancyboushの殺意を確かに感じた・・・。

朝方、割とよく来るNancyboushが入ってきた。海賊志望の若者仲間の間じゃそうとうの実力者だそうだ。海賊志望の若者という職業が気に入っているらしくこんな話をはじめた。

オヤジには二度と口を開かないでもらいたい。

朝方、またHenrymibがやってきた。半人前の海賊仲間の間じゃそうとうの実力者だそうだ。Henrymibは辺りかまわず罵った。

・・・目が完全にイッてしまってる。

朝方、見馴れない一人の老人が店に入ってきた。裏の世界しか見てこなかった、世の中にはそういう人間もいる。何を思ったのか貴婦人の話しをはじめた。

口を開けば愚痴しか言わない。

朝方、割とよく来るNancyboushが入ってきた。店に入る前からNancyboushは酔っ払っていたらしく、来てそうそう床に吐いた。この野郎が話すことといえばいつも令嬢の事だ。

読者諸君にここでタネを明かそう。野郎はこの時重大な嘘をついていた。

朝方、またJosephSpuctがやってきた。一癖もニ癖もありそうな人物だ。JosephSpuctは辺りかまわず罵った。

要は私にも海賊を薦めているのである。

朝方、何回かこの店を利用している英雄が入ってきた。腕に恋人の名前が彫ってあるらしい。・・別れた恋人のだが。Nancyboushはあふれる涙を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

本当はこのようなこと一言も思ってはいない。口先だけの英雄だ。