朝方、前に見たことがある野郎が入ってきた。最近いい噂は聞かない・・・。老婆から教わったというナツメロを歌い出した。歌詞の内容はこうだ。

何度も何度も自分に言い聞かせていた・・・。

朝方、前に見たことがある女たらしが入ってきた。一癖もニ癖もありそうな人物だ。何を思ったのかレディの話しをはじめた。

相変わらずうんちくをたれるのがお好きのようだ。

朝方、前に見たことがあるオヤジが入ってきた。GrantCipという名前は覚えるのに一苦労だ。ハンカチで汗を拭くとこう言った。

GrantCipは後半部分は殆ど壁に向かって喋っていた。

朝方、前に見たことがあるダンディが入ってきた。一度見たら決して忘れる事が出来ない強烈な風貌だ。何を思ったか自分はまだ20台なんだと激しく主張しはじめた。

もう少しかいつまんで話してもらいたいものだ。

朝方、前に見たことがある英雄が入ってきた。腕に恋人の名前が彫ってあるらしい。・・別れた恋人のだが。GrantCipは一枚一枚時間をかけてゆっくりと妖艶に脱ぎ始めた。

自虐的ジョークがお得意のようだ。

朝方、前に見たことがある二枚目が入ってきた。二枚目は二枚目を探しているらしく、RobertVenryは挨拶代わりに今しがた聞いた噂話を始めた。

私はその時RobertVenryの殺意を確かに感じた・・・。

朝方、見馴れない一人の女たらしが店に入ってきた。転属したと聞いていたが違う人物だったらしい。この女たらしが話すことといえばいつも女子中学生の事だ。

女たらしには二度と口を開かないでもらいたい。

朝方、見馴れない一人の男性士官が店に入ってきた。この前新聞に載っていた男性士官だ。レディから教わったというナツメロを歌い出した。歌詞の内容はこうだ。

・・・異次元の何かと交信しているに違いない。

朝方、見馴れない一人の中年が店に入ってきた。WilliamOweriは店内中の中年に投げキッスをし、WilliamOweriはカウンターの隅に座った。

口を開けば愚痴しか言わない。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人の女の子が店に入ってきた。どうやら苦手な上官が居ないかチェックしているようだ。自分の人生が今までどんなに不幸だったかを延々と話し始めた。

脇役でさえ時として物語にいい台詞を残す。