朝方、前に見たことがある若者が入ってきた。RalphBopはウィンクを店にいた貴婦人に送り（片目だけのウィンクはできないらしい）、RalphBopはあふれる涙を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

・・・誰か通訳してくれ。

朝方、前に見たことがあるジェントルマンが入ってきた。食えない・・・その手の人間だ。RalphBopは1歩もその場を動こうとしなかった。

可哀想だが私は全然話を聞いていなかった。

朝方、前に見たことがある青年が入ってきた。青年の体から漂う高級な香水の香りが店内に異臭を放つ。RalphBopは1歩もその場を動こうとしなかった。

この台詞に何の意味があるというのか・・・・・・。

朝方、前に見たことがある坊主が入ってきた。神経に血が通っていないそういう部類の人間だ。私にペコペコお辞儀をすると童子のような眼で語り出した。

そう言いながらThomasVopは恍惚の表情を浮かべた。

大分夜も遅くなった頃、前に見たことがある紳士が入ってきた。この前衛兵につかまったと聞いていたが違う人物だったらしい。何を思ったのか女の子の話しをはじめた。

・・・そして無情にも時は流れていった。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人の青年が店に入ってきた。バクチで散々負けたらしくかなり荒れているご様子だ。RalphBopは現地の人間でも分からないのでないかという癖のある訛りでがなりだした。

今夜が一段と冷えるのは深々と降り積もる夜雪のせいだけでは無いだろう。

大分夜も遅くなった頃、前に見たことがある男の子が入ってきた。長生きするとこういう客も珍しくない。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

若い頃は誰でも過ちを犯すものだ。

大分夜も遅くなった頃、何回かこの店を利用している英雄が入ってきた。WillieOrdigと言う名前らしいがどうせ偽名だろう。私しか話し相手がいないのか真っ先にこちらへやって来た。

「ゴミだって燃えるんだよ！」英雄はそう言いたかったに違いない。

他の客も酔いが回ってきた頃に、何回かこの店を利用している紳士が入ってきた。この前衛兵につかまったと聞いていたが違う人物だったらしい。私に酒を注文してこう言った。

はい、お疲れさん。

他の客も酔いが回ってきた頃に、前に見たことがあるえろいひとが入ってきた。一見してカタギじゃないことが人相で分かる。WillieOrdigはスラム街のど真ん中で聞いたという儲け話を始めた。

独り言なのだろうか・・・・・？