まだ日も高いうちに、前に見たことがある青年が入ってきた。青年の体から漂う高級な香水の香りが店内に異臭を放つ。IA8-hicは現地の人間でも分からないのでないかという癖のある訛りでがなりだした。

IA8-hicの言葉にはどこか淫靡な響きがある。

まだ日も高いうちに、見馴れない一人の貴公子が店に入ってきた。聞いたこともない会社のこれまた聞いたこともない肩書きを持つ。DanielCydaYは独り言をブツブツ言いながらテーブルについた。

その時私はDanielCydaYを抱きしめたい衝動に駆られた。

まだ日も高いうちに、この店の常連のBrandonEdiniがいつものように入ってきた。未成年の美貌に店内中のレズビアンが息をのむ。この未成年が話すことといえばいつもレズビアンの事だ。

・・・完全に正気を失っていた。

まだ日も高いうちに、この店の常連のabeliがいつものように入ってきた。自分の人生でさえも脇役を演じている、そういうタイプだ。abeliは1歩もその場を動こうとしなかった。

その非情な目が見つめ続けてきた哀切な過去の結末とは・・。

まだ日も高いうちに、この店の常連のabeliがいつものように入ってきた。abeliと言う名前らしいがどうせ偽名だろう。abeliは現地の人間でも分からないのでないかという癖のある訛りでがなりだした。

何度も何度も自分に言い聞かせていた・・・。

まだ日も高いうちに、この店の常連のCoreyhakがいつものように入ってきた。どこにでもいるような人間だ。何を思ったのか女の子の話しをはじめた。

相変わらずうんちくをたれるのがお好きのようだ。

朝方、この店の常連のBrandonEdiniがいつものように入ってきた。裏の世界しか見てこなかった、世の中にはそういう人間もいる。一枚の写真を取り出すと、目に涙をうかべて話しはじめた。

BrandonEdiniは後半部分は殆ど壁に向かって喋っていた。

朝方、前に見たことがあるダンディが入ってきた。どこにでもいるような人間だ。得意万面で初恋の話をしだした。

もう少しかいつまんで話してもらいたいものだ。

朝方、前に見たことがある男の子が入ってきた。この界隈じゃ恋人にしたくない男の子ベストテンに入るらしい。一枚の写真を取り出すと、目に涙をうかべて話しはじめた。

自虐的ジョークがお得意のようだ。

朝方、見馴れない一人のジェントルマンが店に入ってきた。断っておくが、この店はこういう客ばかりじゃない。額、首筋、わきの下を一通りハンカチで拭くと、唾を飛ばしながらこう言った。

だがその目元は全く笑っていなかった・・・。