朝方、見馴れない一人のオヤジが店に入ってきた。不幸を絵に描いたようなタイプだ。差し出した一杯の水を飲み干すとくたびれた声で一つの話をした。

なぜここまで自信たっぷりに話せるのだろうか。・・・・理解に苦しむ。

朝方、見馴れない一人の老人が店に入ってきた。裏の世界しか見てこなかった、世の中にはそういう人間もいる。葉巻をもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

ここにも一人、季節の終わりに取り残された老人がいた。

朝方、見馴れない一人の若者が店に入ってきた。TimothyAmidaは終始腰を左右に揺らしている。一枚の写真を取り出すと、目に涙をうかべて話しはじめた。

未だに過去にすがって生きている。

朝方、この店の常連のDonaldHipがいつものように入ってきた。着やせはするが、体には自信があるらしい。何を思ったのか女の話しをはじめた。

股間を掻くのだけはやめてもらいたいものだ。

朝方、前に見たことがあるミスターが入ってきた。多分以前に別の客の連れで来た事があったはずだ。得意万面で初恋の話をしだした。

もうそんな事を言う歳でも無いと思うのだが。

朝方、この店の常連のDonaldHipがいつものように入ってきた。見ているこちらが辟易するくらいの派手な衣装だ。DonaldHipは大和撫子から聞いたという話をしだした。

要するに誰かの悪口が言いたいのだろう。

朝方、この店の常連のJosephSpuctがいつものように入ってきた。インテリを装ってはいるがかなりワルそうだ・・・。JosephSpuctは誰から聞いたかわからない噂話をはじめた。

この時のこのJosephSpuctの台詞が果たしてどんな意味を持っていたのか・・・。そのときの私には予想すらできなかった。

朝方、この店の常連のDonaldwaingがいつものように入ってきた。Donaldwaingは数人の愛人をはべらせ上機嫌そうにだ。Donaldwaingはライムを織り交ぜてリズミカルにこう語った。

殆ど逆ギレだ・・・・・。

朝方、この店の常連のTimsothyfauriがいつものように入ってきた。ここに来るようなタイプには見え無いのだが・・・。私にペコペコお辞儀をすると童子のような眼で語り出した。

そう言って口の周りをゆっくり舐め回した。

朝方、この店の常連のJosephSpuctがいつものように入ってきた。今夜は最悪の気分だ。何を思ったのか大和撫子の話しをはじめた。

「誰も自分を分かってくれない・・」最後にそうつぶやいた。