ちゃっとTRPG

   チャットでするTRPGについてです

最終更新日
 2002/01/03
 

 

 IRCをメインにチャットでするTRPGを説明しようという企画です。そのための小道具などを用意していきたいと思います。にここではIRCを使用してのセッションを基本としています。IRCの使い方やその他の情報はIRC普及委員会を参考にしてみてください。

IRCとチャンネルについて
 基本的には好きなチャンネル名(使用ルール名、グループ名など)を設定すれば良いです。もしパブリックなIRCサーバーを使用する場合はチャンネルを制作後、モードを要パスワードに変更して、外部からのメッセージも届かないようにしたほうがいいかもしれません。
 IRCを使う場合の問題点として、参加者の名前を日本語で表示することが出来ないというものがあります。これはどうしようもないので事前に自分のキャラクターの綴りを調べておくなどしての準備が必要でしょう。格好良い名前を考えてもその綴りがローマ字ではちょっと悲しいものがありますし(笑)。
 GM及びプレイヤーはこのチャンネルに入り、ゲームの内容やキャラクター発言は此処で普通に行います。また、特に注目を集めたいような発言は/meコマンドで現すことができます。参加者以外の見学が居る場合などは、参加者のみになると(参加者一覧の頭につくもしくはチャンネルオペレーター権限のことです。詳しくは上のIRC普及委員会を参照してください)を配布して、区別をつけやすいようにするといいでしょう。

 TRPG.NETさんのIRCサーバー(TRPGのためのサーバーなのでおすすめです)を使用すれば備え付けのボットプログラムがあるので用意する必要はほぼありませんが、ボットプログラムを使えれば誰でもメインウインドゥで公正な(?)ダイスのロールが出来るようにもなります。普通のIRCサーバーを使っている場合でボットも用意できなければまあ自己申告性でいいでしょう。


第1話

☆チャットTRPGのお約束

 発言の時にそれがPL(プレイヤー)のセリフなのかPC(プレイヤーキャラクター)としてのセリフなのか。それとも行動宣言なのかただの雑談なのか。その判断がつけづらいと非常にやりにくいでしょう。そのため、私は以下のように基本のフォーマットを作り、全員がそれを守るのがいいと思っています。

PC発言:セリフを「」で囲む。特に誰かに向けての発言を強調したい場合は最後に『>名前』を付けたり、『〜と彼に言うよ』とするのも手。応用として心の声は()で囲んだり、特殊な状況での発言(電話口や腹話術など…)の場合『』で囲んで発言するのもいいでしょう。
[RUIN] 「わかった。そちらの要求を聞こう」
[RUIN] 「もちろん、わかっているね?」>捕まえた男
[RUIN] (とりあえず、捕まえてから…だな)
[RUIN] 『わかった。そちらの要求を聞こう』…と、手で合図をしながら電話口で告げるよ。

PL発言: 文頭にP:を付ける。TRPGの楽しみのひとつにボケに突っ込んだりネタと絡んだ雑談をするというのも含まれると思いますが、チャットでする場合それはプレイの大きな妨げになります。そのためPL発言はしてもいいが、はっきりとPL発言とわかるようにする必要があります。応用として、PL発言でPC発言をする…という技もあります。PCの本音を言いたいけどプレイには反映させない形でやるという場合とかですね。まあ、やりすぎるとわけがわからなくなるので程ほどに(笑)。
[RUIN] P:我ながらマヌケだとは思うけどね〜。

行動宣言:普通に書きこむ。ただしそれが行動とわかるように『〜します。』などと閉じる。他の発言とまざらないよう、GMの気を引くために最後に『>GM』と付けるのも有効です。
[RUIN] じゃあ、そのまま捕まえた男をぐるぐる巻きにします。
[RUIN] 不安なのでついでに身体検査もしたいんだけど、いい?>GM

GM発言:基本的には上の全部の組み合わせです。複数のキャラを使い分けることも多いですが、その度に名前を変えていたのでは面倒過ぎるので、NPC発言の場合は文中で説明するか、名前+「」で発言する形になります。
[GM] A「命だけは助けてくれ。全部話す」
[GM] それを聞いてBは「兄貴、そりゃないッスよ…」とか言ってたりするよ(笑)。
[GM] じゃあ、身体検査をするけど、特に気になる物は持ってないね。武器は携帯していないし財布も小銭が入ってるだけ。

 GMの場合、特定の人相手にだけメッセージを伝えたりしたい場合もあると思います。その場合もIRCならTalkという機能を使ってナイショ話をする事が出来ます。パーティーが分裂してお互いに連絡が取れないようにしたいという場合も新しいチャンネルを作ってそこで話すだけですみます。まあ、PL同士が内緒話をしてたら意味もないのですがそのへんの反則行為はPLを信じて気にしないという事で。

戦闘時など、順番で発言する場合:これは一対一で会話する場合なども含みます。
 IRCでは全ての会話をチャットで行うので相手の様子がわかりません。発言や反応が無い場合もただタイプが遅いだけなのか、それとも画面を見ていない(もしくは見逃した)のか、もしくは寝ているのか(笑)などと様々な事が考えられます。その場合何度も聞き返すとチャットのログが煩雑になったり、緊張感のあるシーンが台無しになったりするので問題があります。かといってただずーっと待っていても相手がただ見逃していたり、対応すべき人が発言終了したのかわからず待っていて無駄に時間が流れていくといった事態に陥りがちです。チャットTRPGは基本的に深夜〜早朝にやる事が多いというその性質上、空白の時間は人々の睡眠を誘ってしまうのでこれもまた問題です。
 その両方を避けるため、他の誰かがあなたの発言終了を待っている場合、終了後に『以上です。』と付け加えるようにしましょう。これは特に戦闘などでの順番で行動宣言する場合には必須と言っても良いほど重要です。
  GMの場合も、長いセリフを終えてPLの発言を待つ段階になった場合、「〜というわけだけど、君達はどうする?」などと問いかけるといいでしょう。
[RUIN] じゃあ、16ダメージね。その後出口に向かって5mほど接近。以上です。
[RUIN] 回り込めるならそのまま移動して待機。それで終了〜。

俺に喋らせろ! (笑):その他の小技
 IRCで『/me 発言内容』とする事によって特殊発言をすることが出来ます。ソフトによっても違いますが、普段無い表示をするので他のみんなの注意を引くにはいいでしょう。ただ、みんなが使い始めるとその効果も無くなるので基本的にはGM専用というのがいいです。PL達に何かを宣言する場合。一旦状況を止めてGMからの説明をしたい場合。もしくはSE(サウンドエフェクト)として使うなど、GMの小技として利用できます。
 類似機能として、多機能なIRCクライアントなら太字などの機能が有るものもあります。


第二話

☆プレイ準備について

 実際のプレイについてですが、GMは状況説明や状況描写、長台詞などのシステムメッセージ(?)はカット&ペーストすればお手軽にできるので事前に用意しておくのが良いでしょう。シナリオもPC上で作っておけばC&Pも楽です。重要なのはすこしずつ。それ以外はばーっと流して読ませる形でやるといちいち手で入力する空白の時間が無くせてプレイがスピーディーに展開できます。まあ、このへんの裁量は実際にやってみないとわからないでしょうが。

キャラクターシート
 これはIRCではなくデータをWeb領域上にアップし、各自がブラウザで参照する形で行います。NPCのデータまでこの形式にするとさすがにウインドゥが多くなり過ぎて邪魔なので、GMが従来通りの紙のキャラクターシートで管理するのがいいでしょう。

HPなど、頻繁に増減する数値について
 これはもう、自己申告性にしてもいいと思います。結局ログは残るので嘘はつけませんし(^^;;;;
 元々TRPGには計算ミスや度忘れなんて日常茶飯事なので(問題ですが…^^;)このへんはあまり気にしないで良いでしょう。増減があった場合には各自手元のメモで管理という事で。
 多少煩雑になりますが、戦闘時のPCのHPなど重要なものの増減はGMにわかりやすいようにちゃんとダメージ申告しておくといいと思います。
[RUIN] 6点通って9ダメージ、残りHP17です。

マップなど、ビジュアル的な小物について
 これもキャラシートと同じくブラウザで見せるのがいいでしょう。アドレスをIRCチャット上で流せば即座に参照する事が出来るので問題ありません。

サーバーダウンなど緊急時の連絡
 出来ればICQなども導入しておき、IRCチャットの調子が悪い時に備えます。 IRCしかない場合にも、複数のサーバー(お互いにリンクしている必要があります。TRPGサーバーなら木陰サーバーとリンクしている…といった具合です。詳しくはIRC普及委員会なりを参考に)を事前に告知しておき、障害が起こった場合すぐに切りかえるという事も可能です。それもだめなら誰かのWebサイトのBBSなりを緊急連絡の場合の連絡先として知らせておくのが良いでしょう。

その他
 それくらいに気をつけて事前に準備をしておけば後は普通のセッションとそれ程大きな違いは無いでしょう。むしろここまでしてTRPGをしたいという人が集まっているセッションなので、かなり集中したプレイが期待できると思います。問題点は深夜なので睡魔に負ける人が出てくるかもしれない…という事ですが(笑)。
 深夜のプレイで時間もかかります。ちょっと問題アリと考える人も居るでしょうが、夜食とコーヒーの準備くらいはしておいた方がいいかもしれません。深夜にプレイするのが難しい…もしくは禁止されているのにどうしても参加したい人も居るかもしれません。急に落ちて他のPLやGMに迷惑をかけないように、そのあたりの根回しを家人に施しておくのも重要かもしれませんね。


第三話

☆シナリオについて

 今回は普通のセッションとチャットTRPGセッションでの大きな違い。マスターの心得ておくべきポイントについて説明します。
 いままでにプレイを円滑に進めるためのチャットでの注意点を説明してきましたが、GMにはさらに知っておいてもらいたい事があります。それは…「チャットTRPGは時間がかかる」 …ということです。準備から集合して自己紹介で30分。本筋に入るまで導入で30分。冒険で1時間or謎解きで1時間の、相談で30分。そして戦闘で1時間〜2時間。さあ、そろそろ力尽きてきましてまとめ〜エピローグで1時間といったところでしょうか。まあコレは少し大げさだとしても、普通のセッションで2時間のシナリオが、チャットTRPGでは4時間から6時間になるのはザラです。
 理由として、チャットなので単純に余計な時間がかかる。深夜なのでPL(まれにGMも…^^;)の頭が寝ていて反応が鈍く進みが遅くなる。同様に眠いので謎・シナリオの仕組みが解けないで詰まる…などの理由があると思います。これをなんとかするのは多分無理なので、GMのほうでなんとか手を打つ必要があります。では、どうしたらいいのでしょう?

短めのシナリオを用意する
 単純明快ですね。でも、これだとGMがシナリオに凝れなくて不満でしょう。そこでプラン2です。

複数回に分けてセッションをする
 これで『前編後編』なり『全三話』なりにして、セッションに十分な時間をかけることができます。ただ分けてやる場合にはまず二回。多くても三回までにしておいたほうがいいでしょう。
 問題になるのはまず、GM(セッション)数に対してPL数が多い場合に参加出来る人が限られてしまうということ。そして何度も徹夜できる人でないと参加出来ないということ。さらに、それらがクリアできるとしても一回で報酬が貰えるセッションに対して三回出ないと報酬の貰えないセッションは忙しい人には悲しいかもしれないということです(笑)。他のみんなのキャラが成長していくなか、一人取り残されるのは悲しいでしょう〜。

抜け道やセーブポイントを用意しておく
 チャットTRPGでは割とよくあるパターンで、誰かが早めに抜け(眠ら)なくてはいけなくなった。 みんな眠くて限界になった…などの時間的な理由でセッションの続行が厳しくなる場合があります。そういった場合にシナリオの展開で飛ばせる個所を用意しておいてショートカットを使ってシナリオを終わらせるという手段を用意しておくと役に立ちます。GMとしては用意したシナリオを一部とは言え使わずに眠らせてしまうのは断腸の思いでしょう。ですが、『セッションを成功させる』という意味ではそのまま無理に続けて中途半端になし崩しなエンドを迎えたり、中断して有耶無耶になってしまうよりはいいはずです。PL達の同意が得られればキリの良い場所で『次回に続く』と切って後日またセッションを立てるのも可能ですし。
 そうでなくてもプレイ中に予想外の場所で時間を食ったりする事はよくあります。普通のセッション以上にそういう事が多いので、情報探しや探索、謎解きなどでは飛ばせる場所は飛ばせるように用意をしておくのが有効です。会話が止まる>ダレる>眠くなる>寝る…という睡魔コンボがGMの一番の敵ですから。

・シナリオ傾向について(1)
 
すでに述べましたが、チャットでTRPGをすると時間がかかります。そのため、シナリオを作る場合も普通とは違う事に気をつけねばなりません。

 1:戦闘は一回まで。
  雑魚相手の戦闘ですらかなりの時間を食います。展開上必要で無いならザコ戦闘はいりません。まあ、あっても1回まで。

 2:謎解きと情報集めはどちらかのみ。
  どっちも時間がかかります。特に情報集めはいちいち会話形式でやっているとそれだけで時間が切れてしまいそうなくらいかかります(笑)。情報を集めるだけでも時間がかかる上に、それについてパーティーで話し合ってどうするか決める時間も考えると、妥当な行動をPLが提案してきたら情報は簡単にわたしてしまったほうが良いと思います。 両方をひとつのシナリオに入れても良いですが、時間が無ければ飛ばすか情報のみをわたしてしまうように作っておきましょう。

 3:マッパーはGM
  ダンジョン物などで地図の説明をしてPLにマッピングさせるのもやめたほうがいいでしょう。あれも普通のセッションではわかりやすくて面白いのですが、チャットTRPGではお絵かきチャットなどの別のプログラムを走らせなくてはスムーズに行えないため色々と面倒が多くオススメできません。多少面白みは薄れますが最初から部屋番号のみの白紙マップを渡すか、GMの負担になってしまいますが段階的に書きこんであるマップを用意するかするのがいいでしょう。

・シナリオ傾向について(2):万人向けのシナリオを作る
 
固定メンツでない場合の話になりますが、特定の種族やクラスなどが必須であるとか、特定のPCもしくはNPCに関係のある人必須だとかのシナリオにすると、募集があっても参加希望を出しづらかったり、それまでのセッションに参加していない人は遠慮するという雰囲気になったりして余り好ましくありません。ただこれを禁止してしまうとシナリオ作成のアイデアの幅を狭めてしまうのであくまで好ましくないというだけで普段ずっとそういうシナリオばかりでないなら問題ないと思います。

・シナリオ傾向について(3):キャンペーンシナリオを作る
 これはまた違う話になるので、他の場所で詳しく述べたいと思います。(未完成)


第四話

☆セッション告知について

 毎回決まった固定メンツでセッションをするならともかく、ある程度人数が増えてくれば普通はGMが参加者を募ってPLがそれに参加希望を出して参加者を決めるというのが一般的だと思います。ここではその参加者募集についての小ネタについて書きます。

何人のPLを募集するのか?
 セッションに時間がかかる…というのとも関係していますが、チャットでTRPGをする場合のもうひとつの問題がここにあります。
 チャットなので判定が多ければ多いほど時間がかかる。同時に喋っても生での会話のように他の人の声に邪魔をされないので複数のPLが同時に喋って収拾がつかなくなる。人数が多ければ多いほど待ち時間が長くなる。そして待ち時間が長いと寝てしまう人が出る…などなど、参加者を多く募れば募るほど問題点が増えていきます。
 身内だけでセッションをするならまあ、全員がチャットでのTRPGに慣れてしまうまでどうしようもない問題ではあるのですが、参加者を募ってGMをするセッションの場合は参加可能枠をあまり広げないようにするのがいいでしょう。GMに慣れていないならば4人くらいで丁度良いと思います(実際の所、チャットTRPGでは4〜5人が妥当で6人が限界でしょうか。これはGMとPLが慣れても同じで、多くても6人くらいが全員が参加して活躍できるという意味では一番いい人数だと思います)。
 どうしようもない場合は7人や8人の参加者がいても出来ない事はありませんが、発言の無い人が居たらGMとしてちゃんと話を振ってあげたりのフォローが必要でしょう。

参加者を募集する
 これも参加者を募る場合のことになりますが、PLがどんなシナリオに参加しようとしているのかわかりやすい募集文で告知する必要があります。
 まず何よりもセッションの予定日時をはっきりと告知すること。何月終わり頃…などのアバウトな募集だと予定がどうなるかわからずに参加希望を出しにくいです。早く告知しすぎてもセッション予定日が先すぎると参加者も予定が未確定でなかなか参加者が集まらずにやきもきするかもしれないので、大体二週間前くらいを目安に告知をすればいいでしょう。
  逆に遅すぎても予定を知らずにいて参加出来ない人も出てきますので、一週間前には告知しておきたいところです。これは同時にマスターにとっても大きな助けになります。プレイ前に参加予定者のキャラクターをチェック出来るので、シナリオの展開上マズイ能力を持っているキャラが居たりする場合あらかじめ対策を立てておけば実際のプレイで焦る必要がなくなるのです。
 次に、基本的に単発のセッションという事になると思うので参加者が希望を出しやすいようにまずシナリオ傾向…戦闘メインなのか謎解きメインなのか、ダンジョンものなのかシティアドベンチャーなのか。もしくはどのようなタイプのキャラクターを募集しているのか…などを入れましょう。参加をオススメしないタイプのキャラクターを先に言っておくのもトラブルを避けるテクニックです。
 最後に前述の参加募集人数を忘れずに。希望人数が多かった場合参加者の確定はGMに任せますが普通は早い者勝ちでいいと思います。ただ出来るだけ普段参加できない人を優先で選んであげる配慮も必要かもしれません。


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